現在、天山山脈およびアルタイ山脈の一帯で遊牧生活を営んでいる騎馬遊牧民、カザフ族。カザフというのは「自由な戦士」という意味がある。
彼らは馬乗りに長け、騎馬民族であることを誇りとしている。牧畜の技術も特にすぐれていて、肉と毛の両方が利用できるいわゆる新彊細毛ヒツジや、2000余年前、その強さと美しさによって漢の武帝に「天馬」とたたえられたと伝えられる、イリ馬を生み出した。季節によって牧場を移し、水草を求めていく遊牧生活を送っているため、モンゴルのゲルとほぼ同型のフェルト張りのユルトと呼ばれるテントに住む。
カザフ族は遊牧生活しているわりには、食生活はとても豊富で、牛、羊、山羊などの乳から作ったクリームやチーズなどを好み、馬乳や、ラクダの乳とこれら乳を原料としたヨーグルト、ミルクティーなどをよく飲む。また、カザフ族は、夏は新鮮な肉、冬は干した羊肉を食べ、また馬の腸を加工して食べる。 カザフ族の男性は、冬には一般に羊の皮、狐の皮、狼の皮などを縫ったコートをまとい、牛の皮で縫ったズボンをはいている。女性は赤などの色のワンピースを好んで着ており、寒くなると、その上の向い襟の綿入れのコート、子羊、狐或いは狼の皮でできたコートをまとう。若い娘たちは色々な刺繍入りの服を着ており、帽子の飾り物としてはミミズクの羽毛がよく使われる。
カザフ族は非常に客好きで知られ、最もよい食べ物をお客さんに出すのが習慣となっている。客が来ると必ず羊を殺してご馳走する。食事の際、主人はまず羊の頭を煮込んだ料理を客に勧め、客は羊の頭をつかみ、その右頬の肉を切って食べてから、羊の耳を切って主人の子供たちに分けた後、また羊の頭を主人に返すのが礼儀となっている。
【馬上の技量を競う、「羊さらい」ゲーム】
カザフの男性は馬術と相撲と狩猟が好きで、祝日になると、各種の馬術コンクールを催し技を競いあう。そのうちの「羊さらい」は最もエキサイティングで遊牧民らしい馬上の技量を競うゲームである。試合開始時、頭を切り落とされた羊が投げられる。騎手達は二つのチームに分かれ、投げられた羊を拾うために突進する。羊を地面から拾った人は、目的地に向かってひた走る。相手チームの人は懸命に追っかけ、奪い取ろうとする。見方のチームは懸命に守る。そうなると、羊は時にバスケットボールのように空中に投げられ、時に分解されそうに奪い取られ、どちらも譲らない。馬は、狂うように走り、駆ける。最終的に、指定した場所に、羊を届けたチームの勝利となる。
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